知られざる頭痛の原因をしらせる10のサイン:本当の原因を知り、頭痛を治すには
私たち日本人はじつに4人に1人はなんらかの頭痛に悩まされていると言われています。でも原因がよくわからず、病院にかかってもなかなか完治しないという人もいます。
でも、あきらめる前にちょっと待ってください。
そんな方は、次の10個の項目を振りかえってみてはいかがでしょうか。思わぬヒントに気づけるかもしれません。
- 家族からよく「夜、歯ぎしりをしている」と言われる
- 舌の両わきにでこぼこしたあとがついている(歯形)
- あごの筋肉がしっかりしている(ほっぺたの外側の筋肉)。どっちかと言ったらエラが張り気味だ。
- 口の中を見ると、ほっぺたの内側に歯のあと(歯形)がついている
- 口が開けにくい。食事がしづらい。あくびをすると、あごが痛くて口を開けられない。
- あくびをしたとたん、バキッと音がした。口を開けるとへんな音がする
- 歯ぐきがやせてきた。歯周病が前より進んだ。
- 肩こりになりやすい
- ストレスがたまりやすい気がする。職場や家庭で、ストレスを感じることが多い。
- 自分はちょっと神経質かも知れない
――一見、頭痛となんの関係があるのかと思うようなことばかりです。
じつはこれらはすべてあごや歯の病気のチェック項目です。あごや歯の病気は頭痛と関係しています。歯科や整体師さん、カイロプラクティックの世界などではほとんど常識になっています。
緊張型頭痛、語られざる原因
頭痛だからといって、歯科や整体師さんのところに行く人はあまりいません。神経内科や心療内科といった内科系のお医者さんに相談するのがふつうではないでしょうか。
ですが、こちら方面の先生方から頭痛とあごや歯の関係について詳しいお話を期待するのは野暮というもの。プロ野球選手にサッカーのやり方を質問するようなものです。
歯やあごについては、あくまで歯医者さんや整体師さん、カイロプラクティックなどの専門領域です。教育もまったく違うルートをとっています。現場で経験することもまったく違います。
歯やあごの専門家たちは、患者さんたちから
「どういうわけか歯を治したら頭痛が消えた」
「歯の治療をしたら、頭痛が始まった。治療が原因ではないか」
というような生の声をたくさん聞いています。ですから、いやでも頭痛との関連を感じるのです。
あごが痛くて口が開けられない、ご飯が食べられない、などという症状は顎関節症(がくかんせつしょう)の典型的な症状です。口を開けるとへんな音がすることもあります。あご(顎)の関節やまわりの筋肉に異常が起きています。
意外だと思われるかもしれませんが、顎関節症の症状としてよく現れるものの一つは頭痛です。
近年では顎関節症の主な原因は食いしばりや歯ぎしりだということがわかってきています。これによって顎(あご)の関節に負担がかかり、さまざまな症状が起こります。
食いしばりの最中は、肩や首、顔の筋肉や側頭部の筋肉に力が入っています。これらの筋肉が緊張するということは、即、緊張型頭痛の原因そのものです。緊張型頭痛の原因は、首や肩、頭の両わきの筋肉(側頭筋)が緊張することだと考えられています。
歯周病と頭痛は関連しあっている?
また歯周病がなぜ頭痛と関係しているかと思われるかもしれませんが、この二つは同根のものです。
正確にいえば、食いしばりが原因で歯周病になるという話はありません。その代わり食いしばることで歯周病が進行します。
じつは歯周病を進行させるのは食いしばりだけではありません。上下の歯が軽く触れているだけでも歯ぐきの骨は減っていきます。
本来わたしたちの歯は、とくに何もしていない状態では上の歯と下の歯はわずかに離れています(ほんの数ミリです)。
ですが緊張やストレスなどが加わると、無意識に歯が触れてしまいます。これが癖(くせ)になると長い時間、歯と歯が触れつづけます。こうなると体にもいろいろ影響することがわかっています。
たとえば歯周病が悪化します。ふれているだけで悪化するのですから、かみしめたり食いしばったりして悪化しても不思議ではありません。
ですから逆にいえば歯茎がさがるなど歯周病の進行が見られるのであれば、その人は歯がふれあうことが習慣になっている可能性があります。
さらにこの歯をふれさせるくせ(TCHといいます)は頭痛をひき起こします
上の歯と下の歯がふれているということは、口のまわりやあごのまわりの筋肉がこわばっているということです。緊張したり、なにかに集中しているときに起きやすくなります。なにかしなくてはならない仕事があって、それをストレスに感じているときにもなります。
たとえば料理をすることをストレスに感じていたら、料理をしているあいだに歯がふれあってしまいます。顔の筋肉が硬直し、頭痛の原因になります。(ついでに歯周病も進みます)
ちなみに顎関節症の人は、かなりの割合でこの歯をくっつける癖(くせ)を持っています。
なぜ舌や頬の内側に歯のあとがつくのか
舌にギザギザのあとがある、頬(ほほ)の内側に歯の形のあとや線がついているといったものも歯が触れている習慣や食いしばりによって起こります。
ふだんから食いしばったり、寝ている間も歯ぎしりをしていれば、あごの筋肉は発達するでしょう。エラが張ったように見えるかもしれません。
「神経質」ということばは、ほめ言葉には聞こえないのであまり使いたくはありませんが、あごの健康はそのような繊細な性格とも関係がありそうです。
顎関節症で歯科を訪れる人には性格的な特徴があります。神経質、几帳面(きちょうめん)、完璧主義、せっかちという傾向です。
こういった性質じたいは別にわるいことではありません。むしろ仕事などで素晴らしい成果をうみ出すこともあるでしょう。ですが一方で不安や恐怖感、緊張を感じやすいという面もあります。
不安感や緊張感は、歯の接触や食いしばりをひき起こします。すると反射的に口のまわりや首、肩の筋肉がこわばります。
これは緊張によって頭痛が起きるしくみとまったく一緒です。
食いしばりや歯ぎしり、上下の歯をくっつけてしまう習慣(TCH)というのは無意識のうちにやっていることです。
もしこれらのことを自分でも気づかないうちにやってしまっている人であれば、頭痛を改善できる可能性があります。
この習慣をやめる方法について ↓
※頭痛のなかには危険な頭痛も含まれています。特にこれまで経験したことのないような痛みがあった場合、すみやかに病院で受診しましょう。
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