油っこいものをさっぱり食べる方法【揚げ物や油物で胸やけする・お腹をこわす人向け】

7月 31, 2019下痢・腹痛,食と健康

ギトギト背脂たっぷり油っこいラーメン

本当は食べたいんだけど、油っこくて胸やけするからやめておこう…そんなふうに食べるのをがまんすること、ありますか?

私はあります。しょっちゅうあります。小さい頃、カツカレーを食べたときの胸のむかつきはいまも忘れません

気分が悪くなるだけならまだしも、体調を崩してしまうこともよくあります。お腹を壊すこともしょっちゅうでした。

同じような経験をお持ちの方も、意外に世の中には多いのではないかなと思います。

このような油分の多い食事を泣く泣くガマンしている人もいることでしょう。ですがそんながまんしているものほど、逆に食べたくなるものなのではないでしょうか。

背脂たっぷりのこってりしたラーメン*1、油をたっぷり吸ったかき揚げののったうどん・そば、油で揚げている皿うどんなど…どれも捨てがたい魅力を持っています。

そんな方々に聞いてみたいと思います。

ご存知でしたでしょうか?

こういった油っこい食べものをすっきり、さっぱりと食べられる方法があるということを。

今日はこれら「先人の知恵」ともいうべき「食べ方」をいくつかご紹介したいと思います。

油脂でギトギトした食べ物には、必ずその「攻略法」とでもいうべき食べ方がセットになっています。

油っこいもので胸やけする人におすすめの食べ方

1.こってりしたラーメンをさっぱり食べる

ラーメンに酢(す)」と聞くと、オヤジくさい印象があるかもしれません。ですが、たいていのラーメン屋には置かれているのが「酢」です。

ラーメン屋といえば餃子(ギョウザ)がつきものですが、本来はこの餃子につけるたれを作るために酢が置かれているのでしょう。餃子を提供しないラーメン屋ではあまり酢を置いているのを見たことがありません。

ですが酢をあなどるなかれ。

中華料理の達人に言わせれば、中華ではたいていの料理に酢を使うそうです。これもやはり油を多用する中華料理をいかに食べやすくするか、という工夫だということも可能でしょう。

和食の達人・野崎洋光氏もとあるテレビ番組で「ラーメンに酢を入れるのはさっぱりさせるため」と言っています。

もし、ラーメンを食べていてしつこさを感じてきたら「酢」を試してみるのも一つの選択肢です。

こってりとしたラーメンでもテーブルに置いてある酢を一回し、二回しかけると口当たりが驚くほど違います。油っこさがすっきりする半面、味わいも変化します。

よく言えばあっさり、別の言い方をすれば淡白になる印象です。率直に言って、うま味の感じ方は半減します。

ですが、食べたあとの不快感はかなり緩和されます

2.ラーメンにレモンをのせる(レモンラーメン)

さっぱり食べれるレモンラーメン

“味平さんでレモンラーメン サッパリと美味しいです。"by kaidouminato is licensed under CC BY-SA 2.0

「ラーメンにレモン」と聞いて違和感を抱くかたもいるかもしれません。ですが「レモンラーメン」は気がつけば全国にじわじわと広がりを見せています。

レモンラーメンを食べた人の多くが「さっぱりと食べられて美味しい」とコメントしています。

ラーメンといえば、ともすれば油っこくなりがちです。食べる途中でもたれてきて、最後は「もういいや…」となってくる人もいるはず。

そんなときは「レモンラーメン」を選んでみるのも一つの手です。

好みは分かれるかもしれませんが、しつこさがかなり軽減されることは間違いありません。

レモンラーメンは岡山県のあるラーメン屋さんから始まったとも言われており、特に広島などレモンの産地ではラーメンに限らず料理に使うそうです。

レモンラーメンを自分で作ることも可能です。クックパッドなどを見ると皆さん工夫しているのがわかります。

ちなみに筆者のおすすめは、ラーメンにレモン汁をかけて食べるやり方です。ほんの小さじ半分程度まわしかけるだけでも、ぜんぜん食べた感じがちがいます。

特にギトギト感が気になるインスタントラーメンは、最後までさっぱりと食べられるのがとてもありがたいです。広島の農家のかたには感謝です。

3.皿うどん、本場・長崎での食べ方

皿うどんと言えば多くの人が思い浮かべるのが、パリパリに油で揚げられた細麺のものではないでしょうか?

皿うどん
 photo by NCC-1701, photo AC

このタイプの皿うどんでは高温の油でカリッと揚げた麺を使っています。ですから人によっては油っこく感じることもあるのです。(実際には油で揚げない太麺タイプなどいくつかのバリエーションが存在します)

ちなみに筆者が食べたことのある皿うどんもこのタイプです。初めて食べたときの感想は、「とてもおいしいが、油がしつこくてだんだんもたれてくる…」というものでした。

本場・長崎あたりの人に言わせれば、「ぜんぜん、わかっとらんなぁ、皿うどんのこと」となるのでしょう。

聞くところによりますと、長崎の人は皿うどんを食べるときにはウスターソースをかけて食べるのだそうです。

これを聞いて、私は「さすが本場やな」と感じました。調べてみると、ほかの地域でもからしと酢を使ったり、酢じょう油とか紅ショウガとか色々パターンがあります。

ちなみに、これも考えてみればぜんぶ「酢」を用いたものです。ウスターソースというのは、表示を見ればすぐわかるとおり「醸造酢」が入っています。材料としてトマトやリンゴといったすっぱいものが入っていますので、これも広い意味で酢のようなものです(クエン酸)。

紅ショウガというものも、じつは生姜(しょうが)を酢漬けにしたものです。ですから紅ショウガを食べるということは酢をちょっと食べるのと同じことです。

こんなふうに油をたくさん使った料理であっても、もたれずに食べる知恵と言うのが必ずあることに驚かされます。

ちなみに、コンビニの「あんかけ焼きそば」もけっこう油っこいですけれども、酢が付いていることが多いですね。

ところで皿うどんにどれぐらい豊富に油が使われているかということですが、油であげた細麺タイプの皿うどんに含まれる油の量は38gぐらいです。

インスタントラーメン一食に使われている油の量ですら17gですから、一食の皿うどんにはインスタントラーメンの軽く倍以上の油が使われている計算になります。

www.ringerhut.jp
長崎皿うどん 一食の脂質量 38.3g(長崎ちゃんぽんリンガーハット公式HP 栄養成分表より)
サッポロ一番みそラーメン 脂質量 一食あたり 17.2gサンヨー食品HP 製品情報より

4.かき揚げうどん・そばをさっぱり食べる方法

かき揚げうどん

 photo 本気のくまにゃんさん ;photo AC 

立ち食いそばのかき揚げというのも、けっこう油を吸っていてもたれやすい食べ物です。

もたれると分かってはいるんだけれども、なぜかあのかき揚げの油とめんつゆがからみあったうまさを味わいたい。どうしてもその思いを抑えられずに注文するのですが、あんのじょう食べていくうちに気分が悪くなっていきます。

筆者はもたれるのがこわくて、長い間そば屋でかき揚げうどん・そばを頼むことができませんでした。胸やけするだけならまだしも、へたをするとお腹を壊してしまう可能性もあるからです。

生来、油を消化する力が弱いらしく、油の多いものを食べると調子がわるくなってしまうという体質です。

特にかき揚げはかなりの油を吸い込んでいますので、1個ぜんぶ食べるとまず間違いなくお腹をこわしてしまいます(お腹をくだす)。

ところがある立ち食いそばに詳しい方がテレビに出ていて、「かき揚げそば(うどん)を最後までさっぱり食べるとっておきの方法がある」と言う話を始めたのです。

これは聞き捨てならないと思いテレビの音量を上げて耳をすましました。その方法とは「店に置いてある紅しょうがをいっしょに食べる」というものだったのです。

彼によると立ち食いそば屋には意外に紅しょうがが置いてあるのだとか。これは丼ものをいっしょに提供する関係です。

また高速道路のサービスエリアなんかに行くと、かき揚げののったうどんやそばは安く腹いっぱい食える選択肢です。こういった食堂には、たいてい牛丼などもメニューにありますから紅しょうがも置いてあります。

そんなわけで、試しにあるときかき揚げうどんに紅しょうがを載せて食べてみました。

結果は――不思議なほどすっきりしていて、さっぱりした食感です(!)。不快な思いをせずに、衣も最後まですいすいと食べることができました

そしてその後、体調のほうも悪くなることはありませんでした。これまでの経験からすれば、これはたいへん画期的な結果でした。

これを教えてくださったのは編集者・ライターをされている本橋隆司さんという方で、『立ち食いそば大図鑑』などの著者でもあります。

さすが“そば通”、と言いたいですね。

 本橋さんのツイッター↓

twitter.com

油っこいものを食べるさっぱりコツは

以上、世の中に油をたっぷり使った食べ物はたくさんありますが、その一部をすっきりと後味よろしく食べる方法をご紹介して参りました。

理屈はさておき、その要諦は酸っぱいものをかけて食うということに要約されるようです。思わぬところにヒントが隠されています。

ただ一つ、今日ここで紹介しているやり方には注意点があります。それは「酸っぱいものは酸性なので、食べすぎると虫歯になる」ということ。これだけにはぜひ注意していただきたい。

歯科衛生の関係者の話によると、やはり健康のために酢をよく飲む人で、酸によって歯をやられるかたが多いのだそうです。

酢などの酸っぱい食べものは、虫歯を誘発しやすいのです。

筆者もこのことに注意がいたらず、知らぬ間に何か所か虫歯ができてしまいました。

これには閉口しましたが、なんとかこれにも対抗策を思いつき食後に歯が痛むということが無くなってきました。この対策についても、改めてご紹介したいと思っています。

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*1:冒頭の画像はsoraraさんが写真ACに投稿したものです