下痢・軟便を減らすために、今日からできる簡単なこと ~マスコミでは絶対に教えてくれないこと~
なにか悪いものを食べたわけではないのになぜかお腹をこわしてしまった、ということってないでしょうか?
お腹を冷やしたわけでもなく、激辛の料理をたべたわけでもない。でもお腹をくだしてしまう・・・。
以前の筆者にはそんなことがしょっちゅう起きていました。
あまり語られることはありませんが、じつは誰もがあたり前のように食べているものであっても、人によってはからだに合わないという場合があります。
テレビで毎日のようにCMが流れ、みんな平気で食べているかのように見える様々な食品。ある人にとってはそれがお腹をこわす原因になっていたとしたら?
みんなふつうに食べているから自分も当然たべていいものなのだろう、そう思って食べていた食事がほんとうは自分の体質には合っていなかったとしたら…?
悪いものなんてひとつも子どもに食べさせていないのに、どうしてか下痢をしている。知らないうちに子供の体質に合わないものを食べさせてしまっているとしたら・・・。
そんな食品が身近にあるとしたら、それは何でしょうか?そして私たちはどのように対処すればいいのでしょうか?
1.カレー
カレーを夜に食べるとおなかをこわすというのは筆者だけでしょうか?
大部分の人はこんな疑問を考えたことすらないのではないでしょうか。カレーを食べてお腹をこわしたなんていう話は一度も聞いたことがないし、家族もみんな平気で食っています。そもそも夕飯にカレーを食べるなんて、ありきたりなことです。
もちろん筆者も長年にわたり朝と言わず晩と言わずカレーライスを食べてきました。もちろん当たり前のように、です。
ですがちょっと待ってください。たまにお腹をこわしたり、ゆるくなることがあるというかた、よく思い出してみてもらいたいのです。お腹をこわした前日のメニューを。
前の晩にカレーを食べませんでしたか?
私のばあいは、必ずゆるくなります。
原因として考えられるのは、カレーに含まれているベトベトの油です。
◆なんでカレーで「くだる」?
カレーを食べた後の鍋を一度でも洗ったことがある人ならわかるのではないでしょうか。カレーの鍋というのは、鍋はだに尋常でない量の油(脂)がへばりついていて、ちょっとやそっと洗っても落ちません。
食べた後のお皿も、べとついてひじょうに汚れが取れづらいですよね。
これだけ油っこく、しつこいものをお腹の中に入れるわけです。逆になんともない方が不思議なくらいです。とんかつを食べただけでむねやけしたり、胃もたれするひとだっています。たしかにとんかつは油っこい食べ物です。ですがとんかつを食べた後の皿と、カレーの皿、どちらが洗いやすいでしょうか?私はカレーの皿の方が、よりべとべとしているように思います。
このように、市販されているカレーの多くはとても分解しにくい食べ物なのです。
◆なぜイチローは「朝カレー」なのか
ただ、このように消化しにくい食べ物であっても朝や昼に食べる分には平気ということが多々あります。晩ご飯にカレーを食べるのをやめるというのも一つの手です
そしてイチローや田中マー君のように朝カレーを実践してみてはいかがでしょうか。夜ではなく、朝にカレーを食べるのです
なぜかイチローは夜カレーではなく朝カレーなのです。イチローが朝、カレーを食べていると聞いて「なぜ?」と考えた人もいるかもしれませんが、これは消化の面から考えても理にかなっています。
イチロー氏は成果を出すために(つまり本業の野球でいいプレーをするために)どんなささいなこともルーティンにすることで知られており、この「朝カレー」の習慣もこのルーティンのひとつであったというのは想像にかたくありません。
つまりカレーを朝食べるか夜食べるかという選択が、ひいてはプレーにもひびいてくる、仕事の成果を左右するということもできます。
自他ともに認める夜型の人であっても、ことお腹にかんしては完全に朝方だということはあります。夜はおなかも休む時間。もしそんな心当たりがあったら、食事だけは朝方で暮らしてみることをおすすめします。
●カレールー、もっとも多く使われている材料は
ちなみに家でカレーを作るときは市販のカレールーを使用するという人が大半だと思いますが、カレールーの原料にはなにが一番多く含まれているか見たことがありますか?
カレー粉?
それとも小麦粉でしょうか?
いえいえ、正解は油(油脂)です。商品によって違いはありますが、どの商品を見ても原材料名の最初に来るのは油脂分です。そして中でも気になるのが特に安価な商品に含まれている「パーム油」です。
たとえば筆者が今週食べたカレーのルーの中に一番たくさんふくまれていたのは「パーム油」で、次に多いのが「なたね油」です
「パーム油」とは耳慣れないことばです。いったい何の油でしょうか?
「なたね油」というのはなんとなくわかる気もします。「菜種(なたね)」とは菜の花の種ですから、それをもとにしているんだろうと容易に想像がつきます。それに菜の花なら道ばたでも見かけます。
では「パーム」とはいったい何のことでしょう?
英語だとヤシの木を「パーム・ツリー("palm tree")」と呼んでいます。つまり「パーム油」の「パーム」というのはヤシの木のことです。ヤシの中でも「アブラヤシ」というヤシの木の実からとったのが「パーム油」です。
もともとは石鹸(せっけん)の原料として使われていたものが食品工業にも使われています。洗剤の原料にもなります。
安くて便利なので、あげ油やマーガリンの原料として広く使われています。ただスーパーで一度たりとも売られているのを見たことはありません。なぜでしょうか?ここでは深くふれませんが、食用油としての危険性が前々から指摘されています。
ともあれ石けんの材料を口にしてハラをこわす、というのはいかにも自然だなぁ・・・という気もします。
筆者のばあい、市販のカレールーで作ったカレーを夜に食べると必ず翌日はお腹がゆるくなります。ところがふしぎと朝に食べるのは平気です。
また、商品のラベルを見ると一箱300円ぐらいのやや高級なカレールーになってくると、パーム油を使わずに牛や豚のあぶらが使われています。こういったルーを選ぶというのも一つの選択肢になってくるでしょう。
2.カップ麺・インスタント麺
カレーとならんで、お腹をゆるくしやすい二大巨頭ともいうべき食べ物があります。
カップ麺とインスタント麺です。
参考に日本即席食品工業協会のホームページをのぞいてみましょう。どんなことが書かれているでしょうか。
「油揚げめん」に使われる油脂は、パーム油、純正ラード、ごま油、またはこれらの混合油です(一般社団法人 日本即席食品工業協会HP)
「油揚げめん」というのは即席めんを作る工程でめんを油であげたものです。これによって長期保存が可能になります。そしてやはりここでもパーム油が登場しています。
即席めんを食べた後の食器って、なかなか汚れが落ちないと思いませんか?筆者の感覚では、カレーの鍋に劣らずベトついています。
また「油揚げめん」をゆでたあとの鍋をよく見たことがあるでしょうか。ステンレス鍋がどういうわけか虹色に光っています。表現は悪いかもしれませんが、ちょうど雨の日に車から漏れたエンジンオイルが道路で光っているのと同じような感じです。
サラダ油などの一般の食用油では、まちがってもこういうことは起きません。「まさか」と思ったかたは一度新品のステンレスのなべで試してみてはいかがでしょうか。
なおメーカーの名誉のため念のために言っておきますが、めんに含まれる油がつねに新鮮な状態で保たれるようにメーカーでは様々な努力をおこなっています(たとえば揚げる温度を140~150℃に保つ、など)。そしてこれによってJASの基準をクリアしているのです。
JASとは国が定めた規格で、食品や農産物などの品質を保証しています。ただざんねんなことに即席めんの油にかんして、ここで求められていることは「酸価」という基準を調べることだけ。それによって油の鮮度を確認し、基準をクリアすればOKで、あとは何の油を使っていようが食品の規格としてはべつに問題はありません。
もちろん、パーム油で揚げた即席めんを食べてもなんともないという人はたくさんいます。ですが筆者のばあい、即席めんを食べるとほぼ必ず次の日ゆるくなります(油揚げめんのばあい)。
「昔からインスタントラーメンを食べたあとは、なんとなくお腹がもたれるきがする」「胃が重くなる」ーーそんな心当たりがある人はいないでしょうか?
よく思い出してみて下さい。インスタントラーメンをたべた次の日、体調はどうでしたか?
もしそんな心当たりがあるとしたら、その人は即席めんを控えることでピタリとおなかの不調とおさらばできるかもしれません。
ただ、その人はこうも思うでしょう。「自分はこれから一生、インスタントラーメンの類をガマンしなければいけないのかな…?」と。
じつはそんなこともありません
正直なところ、筆者も長いことインスタント麺を好んで食べてきました。小さなころは、お昼どきといえばインスタントラーメンばかりリクエストし、ひとり暮らしをしてからもずいぶんお世話になりました。
そしてときにむしょうにインスタントラーメンが食べたくなって、買ってきてはお腹を壊す、ということをつい最近までくり返していました。
野菜といっしょに食べるとか、卵を入れればいいんじゃないかとか、様々なことを試してみましたがすべてダメ。最終的に唯一成功したのは「ノンフライめん」を選ぶ、という方法でした。
ノンフライめんというのは文字通りフライしていません。熱風をかけてめんを乾燥させるというやり方で作っているので、油の心配をする必要がないのです。
ですからインスタント麺・カップ麺がからだに合わない、という人はすべてノンフライに切りかえてみてはどうでしょうか。筆者のばあい、それだけで劇的にお腹をこわす回数が減りました。
これは袋めんでもカップ麺でも同じですし、うどんだろうがそばだろうが、やはりギトギトのあぶらが最後に白く固まるようなものはダメです。後ろをみて「油揚げめん」と書いていたら、心残りですがそっと棚に戻しましょう。
ただ最近ではノンフライでもかなりの種類が出ています。袋めんにしてもカップ麺にしても、どれがうまいのか開拓していくという楽しみもあります。
3.牛肉・豚肉
以前、会社員だったころ焼き肉屋に連れていってもらうことがよくありました。「〇〇、いっぱい食えよ」などと先輩や上司から声をかけてもらった記憶があります。
食べ放題だと元をとってやろうと考えますし、食い意地をはって負けずに食いたいという心理もはたらく。するとなおさら食ってしまいます。
するとなぜか翌日は決まって下痢です。
たちが悪いことに焼き肉屋に行くとだいたいビールも注文しているので、飲み過ぎたせいなのか食べすぎのせいか、もうわけがわからなくなっています。暴飲暴食は、お腹の不調の原因をわからなくさせている背景のひとつなのです。
なぜ焼き肉を食べてお腹をこわすのでしょうか?
考えられる理由の一つは、脂肪分のとり過ぎです
あぶらっこいものを食べて胃がもたれたという経験を、多くの人がしていることでしょう。脂肪を消化するのにはほかのものにくらべても時間がかかります。
焼き肉店で出てくる定番の「カルビ」「ロース」といった肉は牛肉の中でもあぶら身の多い部位です。また霜降りの多い肉もそうです。
このような脂肪分の多い肉を食べすぎると、分解しきれなかった脂肪はそのまま腸に移動する、ということが起こります。じつは脂肪というのはたんに消化しにくいだけではなく、腸の動きを活発にするという作用も持ってもっています。食べたものが腸のなかを移動していくスピードをアップさせる、ということです(ぜんどう運動亢進)。
このように消化しにくいうえに、腸の動きがスピードアップした結果、下痢をしてしまう、というわけです。
ですから逆に言えば、こういったことを防ぐには脂肪の多い肉を避ければよいのです
より具体的にいえば、豚肉や牛肉をひかえ、食べるのならとり肉や魚に置きかえるということです。
なんだか年寄りじみた話のようですが、筆者はこれを実践するようになってからは翌日に下痢をする回数が飛躍的に少なくなりました。
参考に東京都の都立病院を運営している「東京都病院経営本部」のホームページを見てみましょう。するとやはり胃腸の調子が悪いときには脂身の多い肉はひかえ、脂身の少ない肉を食べるようにすすめています
脂身の多い肉の例として、ロース肉・バラ肉のほか、ハム・ベーコン・ トンカツ・焼肉などがあげられています。
これらは基本的にはすべて牛肉か豚肉です
逆に脂身の少ない肉はささみ、赤身肉、とり肉をあげています。とり肉は皮つきでないものをすすめています。これはニワトリの皮に脂肪(皮下脂肪)が多いためです。
赤身肉とは具体的に何のことでしょうか?赤身部位の代表はヒレ肉です。食品売り場に行くと「豚ヒレ肉」「牛ヒレ」などと書いています。またたとえとり肉であっても、焼き鳥だったら「とり皮」はNGということになります(これについてはやはり筆者も経験上、同じ意見です)。
やはり医療的な立場からもこういった食べ方を推奨しているわけです。「風邪、ストレス等により下痢、胃もたれなど」胃腸の具合がわるいばあいは脂身の少ない肉を食べましょう、とすすめています。
しかし、それでは一部の人たちはロース、カルビといった脂身ののったおいしい肉を一生ガマンして生きていかなければならないのでしょうか?お腹がゆるくなりやすい人だって、焼き肉を食べて美味しいと感じるのは同じなはずです(!)
いえ、やはりそんなことはありません。
だいじょうぶです。ちゃんと対処法があります。しかもやり方はごく単純です。
肉は朝食べればよいのです。
ここから先は、筆者の経験上の話になるので全ての人に当てはまるとは言い切れませんが、少なくともすべて自らの体でくり返し試してみてわかったことです。その点では下手な教科書に書いてあることよりも確かです。
夜食べてお腹をくだすような、ギトギトにあぶらぎった肉。こういった肉でも朝食べれば大丈夫です。ロース肉・バラ肉、ハム・ベーコン・ 豚カツ・焼肉、これらはすべて夜に食べると翌日の下痢の原因になりえます。これらは先ほど触れたように医療的な観点からも、胃腸が弱っているときには控えるべきです。
ですがこれらを朝食に食べたからといって下痢をしたことは、少なくとも筆者にかんしては一度もありません。
そして夜はとり肉や魚を食べます。そして脂っこい肉を食べたければ夕飯に食べるのはできるだけ控えて、翌日の朝に食べるようにする。夜どうしても肉が食べたければとり肉ならまず問題ありません(ただし、とりの皮だけは要注意です)。つまり時間帯によって食事の内容をコントロールするということです。
◆「腸・心・肌」の、3つの連環
これらを実践するには家族の協力なども必要です。やるとなるといろいろと困難も出てくるかもしれません。ですがやってみると「目に見えて下痢をする頻度が減った!」という人はたくさんいると思います。食事をコントロールすることで、体調をコントロールすることができるのです。
そして最近ではお腹の調子をととのえることによって、心にも良い影響があるということがわかっています。セロトニンだとかドパミンといった前向きな気持ちを生みだすホルモンがお腹(腸)から放出されるということがわかってきたためです。これをもって腸は「第二の脳」とも呼ばれることもあります。
さらにさらに、お腹をいたわることで起こる良いことはこれだけにとどまりません。お腹と心はつながっており、心とお肌はつながっており、お肌とお腹はつながっている、とも言われています。つまりお腹をいたわることでお肌まできれいになり、若さや美しさを手に入れる、という所までかかわってきます。
ちなみに今回とり上げた要注意食材①カレー②即席めん③肉、の3つはすべて油(脂)の多いものばかりでした。
あぶらっこい食べものはなぜ朝(ないし昼)食べるのがよいのでしょうか?
このことについて医学的に説明されているのは一度も聞いたことはありません。ただ間違いなく言えるのは、人間の体は一日単位でバイオリズムをきざんでおり、食べ物の消化も同じように一日のリズムに沿って行われているということです。
たとえば成長ホルモンが分泌されるのは眠りについてからの3時間に集中するということが言われています。眠り~覚せいのリズムにしたがってホルモンが分泌され、からだの再生・補修が行われているということです。同じように食事と消化吸収も、眠り~覚せいのリズムに沿って行われている、ということは間違いないでしょう。
ただ一つ注意していただきたいことがあります。「たかが下痢」と甘く見ていると、ときとして大きな病気の兆候だったということがあります。不調が続くときには、一度は専門医を受診し、そういった病気の可能性を除いておくことをおすすめします。
規則正しく睡眠をとったり食事をとることは、なかなか簡単なことではありません。ですがこういったからだの刻むリズムを意識して食事をとったり、買い物のときにちょっとしたことに気をつけるだけでも、お腹の調子は劇的に変化していく可能性があります。そしてひいては気持ちを安定させたり、肌の調子まで改善してくれる可能性を秘めているのです。
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