思いがけず心うたれるもの(2)
「学習発表会」というのは、かつての「学芸会」のことだ
時代や地域によって呼び名が変わるのか、どんななりゆきでそうなったか定かではないが、じっさい行われていることは同じだ
日ごろの学習の成果を保護者の目の前で披露(ひろう)する、ということなのだろう
ところで出不精(でぶしょう)というのは私のことで、とにかく出かけるまで時間がかかる
どこにでかけるにもまず「めんどうだぁ・・・」というのが先に立つ
自分で「明日は〇〇の映画を見に行きたいな」と思っていたのすら当日になるとグズグズしている
そんな人間が子供の学芸会、否、「学習発表会」に喜んで参加するとしたらその方が不思議だ
あるいは出不精でなかったとしても
「おれは学芸会なんか行くよりパチンコに行った方がよっぽどいいよ」
と言って早々に出かけてしまう男性もいるだろうし
なんだかんだでなかなか行けないものなんではないだろうか
いろんな事情で、そんな学芸会があることすら知らずにいるという人もいる
しかし。
筆者はこれだけは声を大にして言いたい
子供の学芸会(学習発表会)は、一回は足を運んでみる価値はある
エンタテイメントとしてではなく、
家族サービスなんかでもなく、
もちろん子供の活躍をカメラに収めるという目的はけっこうだ
しかしその目的ででもなく
わが子の活躍を見届けるのも当然だが、
そのためでもなく
ただ自分のために。
自分のためだから、べつに子供がいなくてもいいのだ
他人の子供でもいいではないか
子供の歌う歌というのは特別な力を持っている
もちろんそんなこと当の本人たちもわかってはいないし、私も行ってみるまでは思いもしなかった
(関係者の方々にはほんとうに申しわけないとしか言いようがないのだが)
最初はやはり「めんどくせぇなあ・・・」
というのが正直な気持ちだった
それもある意味では無理もないと言えば無理もないことで、だいたいにして日ごろから会社で消耗しきっている
「たまの休みぐらいゆっくりさせてよ」
「好きにしたいよ」
そんな男性が多いだろう
さらに男性だけではなく、女性も同じだろう
しかし、ちょっと待ってほしいのだ
そんな人、
そんな疲れている人にこそ行ってみてほしい、学芸会に。
いいではないか、他人の子供だって。
まして甥(おい)や姪(めい)がいたら幸運だ。
子供たちが、ただただ一生懸命歌っている姿に、心打たれるはずだから。
とめどなくあふれる涙を気づかれないように必死にこらえている自分がいるはずだから。
なんでそうなるのか、わからない。
期待はずれだったら申しわけない。
もしかしたら私だけかもしれない
行くとなぜかいつもそうなってしまうのだ
そして全部出しきってすっきりする。
いろんなものがたまっているせいなのかも知れない
だから、日ごろいろいろたまっている人、傷ついて癒されていない人、いろんな事情を抱えている人に、ぜひ行ってみてほしいと思っている
いつも、そんな感想を抱くのだが、一緒に行った奥さんと帰り道のやりとりはいつもこうだ
奥さん「感動したねー!、子どもが歌ってるのみるといっつも感動するー」
自分 「そう?まあね。」
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