皿洗いで逆にストレスを解消する~~食器洗いのメリット・その①
大富豪のビル・ゲイツは毎日じぶんで皿洗いをしているそうだ
(あの世界で一・二の大金持ちがやっているなら・・・)
と、ふだんしなかった皿洗いを急にやり始めて家族を不審がらせたのは自分だけではないはずだ
彼は家族が使った食器をほぼ毎日洗っていることをSNSで明かしている。*1
大富豪だからハウスキーパーを雇うぐらいわけもないだろう
それでも自分でやるぐらいだからきっとよほど何かいいことがあるに違いない、そう思ってはじめた夕食後の皿洗いだったが長続きしなかった
それからしばらく経って、いつのまにか皿洗いのことなど忘れ去り洗い物も家族にまかせっきりになっていた
そんなあるときに偶然また"皿洗い"の話に出くわした
それは、自律神経をととのえるコツは皿洗いだという話だ
小林弘幸氏は自律神経のしくみを研究する医師としてテレビなどにもひんぱんに出演しているが、彼が書いた本の中にやはり皿洗いのことが紹介されていた
それによると、だれもが嫌がるはずの"皿洗い"にはじつは著しくストレスを解消する効果があるという
このことは2015年にアメリカ・フロリダ州立大学の研究者*2によって発表されたもの
やり方によってはイヤな皿洗いの時間も休息の時間に変えられるということらしい
ちなみに自律神経とは自分でコントロールできない神経のはたらきのこと
たとえば自分で心臓のドキドキをはやくしたり遅くしたりコントロールすることはできない
小林先生によると私たちの体はこの自律神経のはたらきによって健康を維持されており、逆に自律神経が乱れると不調をひき起こすというわけだが、この自律神経を乱す一番の原因はストレスだ
つまり皿洗いがストレス解消をうながし、それによって乱れた自律神経もととのって心も体もすこやかに過ごすことができるということらしい
ビル・ゲイツ氏がこのことをふまえて家族の皿を洗っているのか、それとも世界で一番のお金持ちも奥さんにはかなわないというだけのことかはさておき、
この大富豪が毎晩皿洗いをするという行動と、自律神経の専門家の意見とが一致し、つじつまが合っているというところが興味深い
ところで皿洗いを楽しんでいる「富豪」が日本にもいる
所ジョージ氏である
彼かかれば、退屈なはずの毎日の皿洗いもゲームの一つにすぎない
お皿を落として割ってもいいじゃない。割ったことにイライラするんじゃなく、一年間で何枚割るかを数えたほうが楽しい。
(2017年『PHP』10月増刊号より)*3
皿が割れることすら楽しんでしまうというところがなんとも彼らしい
ビル・ゲイツ氏が「毎晩皿洗いをしている」ことを明かしたのは”reddit”というコミュニケーションサイトにおいてだ
”reddit”と聞いても日本ではあまり馴染みがないが、英語圏ではよく知られたサイトらしい
”Ask Me Anything”という企画が発動すると、有名人が一般ピープルの質問に答えてくれる
つまりいきなりネット上にビル・ゲイツが現れて、
「ビルゲイツだけど、なにか?」
とはじめるわけだ(なんとも粋な企画だ)
ここで彼は一般人からの「あなたの(意外な)楽しみは何?」という質問に次のように答えている
"ブリッジも好きだし、娘が馬に乗ってるのを見るのも楽しい。あと、皿洗いも好き"
なんとも軽いノリだ
ブリッジとは、トランプを使ったカードゲームの一種
トランプで遊んだり、子供の乗馬につきあうのと同じレベルで皿洗いも楽しんでいるのか
彼が所さんとおなじく割れた皿の数を数えて喜んでいるかどうか、ぜひ次回の ”Ask Me Anything” で聞いてみたい気もする
しかし一方でまた興味深いのは所ジョージ氏が話していることと、自律神経の専門家の言っていることが見事に一致しているということだ
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